社紋:五つ木瓜、又は祇園木瓜
〒652‐0008 兵庫県神戸市兵庫区上祇園町12-1
素盞嗚尊(すさのおのみこと)
櫛稲田姫命(くしいなだひめのみこと)
平安時代の末期、第56代清和天皇の御世、京都では疫病が流行って多くの人々が死んだり、雷が落ちたりする災害がよく起こりました。これらの原因は、災害で被害にあったり政治などで失脚した人々の祟りであり、その御霊を鎮める事によってその力を頂くと言う御霊(ごりょう)信仰がはやっていました。
そこで占いをし、姫路の広峰神社にまつられている素盞嗚尊(すさのおのみこと)がこれらの祟りを治めるのに力があるという事がわかりました。今の京都・八坂神社の前身、京都北白川の東光寺(後に今の八坂の地に移り『祇園感神院』と称した)に素盞嗚尊をおまつりするため、貞観11年(869)のある日、姫路から京都に向けてご分霊をお載せしたお神輿の行列が出発しました。
祇園神社のありますこの平野(ひらの)の地には、当時広峰神社と縁のある姫路の書写山円教寺で修行された徳城坊阿闍梨が住んでおり、その案内で一泊されました。地元の人々はその後もご神徳篤いのを感謝し、祠を作ったのが祇園神社の始まりとされていますので、約1150年余の歴史を持つ神社です。
近くには、福原京の跡と言われる『雪之御所』の碑(湊山小学校内)もあり、また平家の屋敷跡の遺跡『祇園遺跡(解説板のみ)』もあり平家ゆかりの地でもあります。又、この神輿をかいた人々も疲れを癒したでしょうか、有馬温泉と同じ泉質の『天王温泉』『湊山温泉』もあります。
神社は、祇園山の中腹にあり約90段の石段を登ってお参りいただきます。上りきったそこは、都会の喧騒からはなれた異空間。石段が大変な方は、裏の坂道をご利用ください。裏山からのえもいわれぬ心地よい風は、お参りいただいた方へのただひとつの『おもてなし』です。
さて、この神社では安土桃山時代の天正年間以来8軒の家が宮座を組み、2軒ずつが1年ごとに神主役を奉仕(御当番と呼ばれた)してきました。江戸時代にはこの平野は、天領・片桐藩・畠山藩の3つの領地に別れましたが、天領・私領を問わずその庄屋連中8軒が協力して奉仕してきました。
江戸時代までの神社名は『素盞嗚社』あるいは『天王社』といわれ、通称『祇園さん』と呼ばれていましたが、明治になってからはその通称が正式な名称となりました。今も当社の横を流れる川を天王川といい、その谷を天王谷というのは、天王社といわれたころの名残りでしょう。
また、古絵図には、江戸時代までの神仏習合の時代、素盞嗚尊の本地仏とされる薬師如来をまつる薬師堂が境内にあったことが、描かれています。
素盞嗚尊には、上に書いたような『疫病退散』のご神徳のほか、八岐大蛇(やまたのおろち)を退治したという川の氾濫を意味する神話から『水難除け』や『厄除け』のご神徳もあります。
素盞嗚尊は、牛頭天王(ごずてんのう)ともいわれます。牛頭天王は、インドではお釈迦様が悟りを開かれた『祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)』の守護神とされました。また中国には、それとは別に牛頭状の形をした山に熱病に効く栴檀(せんだん)を産出していたことから、この山を疫病にご利益のある神として牛頭天王と呼んであがめましたが、後にこのインドと中国の神様は一つになり、さらに日本に伝えられ、疫病やその他邪気をはらうという同じ御神徳のある素盞嗚尊と同じ神様として信じられるようになりました。それで三柱の神様が一つになり、素盞嗚尊を別名牛頭天王と呼び、また祇園さんと呼ばれるようになりました。
きゅうりは、夏の野菜の代表として、また熟れたら中が空洞(うろ・うつろ)になるので、昔はそこに邪気を封じ込めて地中に埋めたり、川に流したりしてお祓いしていましたが、今は夏祭に家族の人数分半紙に包み、えとと名前を書いて神前にお供えする信仰が残っています。
また、牛頭天王をおまつりしている事から、神職は、祭典の期間中、牛肉を食べてはいけない事になっており、またきゅうりは神社の紋(ぎおんもっこ・五つもっこ)に似ていることから、斜めに切って紋の形にならないようにして食べるようにしています。
『蘇民将来之子孫也』のこより守りと木製六角のこけし型守り、ちまき守り、学業成就、厄除けその他各種ご用意いたしております。
素盞嗚尊、6月7日という日、御霊信仰、水神信仰、疫病、宮座、神仏習合、豪商生島四郎と勝海舟、蘇民将来と巨旦将来、きゅうりと宣教師ルイス・フロイス、田村市郎、お弓神事、平清盛、その他
地鎮祭、上棟祭、住宅の解体や入居時、井戸埋め、庭木の伐採などの各種のお祓い。神葬祭その他。
また初宮詣、七五三、厄年、交通安全などの各種のご祈祷。
どうぞ、お問い合わせください。
1月 1日 歳旦祭並びに年頭氏子繁栄祈願祭
1月15日 とんど
2月17日 祈年祭
3月13日 末社 春日社祭
4月 1日 末社 白玉稲荷社祭
6月 7日 例祭
6月17日 末社 市杵嶋姫社祭
7月13日 夏祭(祇園まつり)
~20日
10月11日 末社 猿田彦社祭
10月17日 末社 皇太社祭
11月23日 新嘗祭(秋祭り)
12月31日 大祓式・除夜祭
毎月1日・15日 月次祭
当社で一番賑やかなお祭です。毎年7月13日朝11時からの初日のお祭によって口火が切られ、いよいよ20日までの8日間の夏祭が始まります。
疫病や水難から逃れ、厳しい夏を無事過ごせるよう祈願するこのお祭には、8万人にも上る多くの方々が、東は尼崎、西は加古川の方面からも夕涼みがてら参拝されます。浴衣姿のカップルやご家族連れの姿も多く見られます。
また、境内やその周辺道路には200軒近くの露店が所狭しと軒を並べ、タコ焼きやイカ焼きのにおい、そして緋色の袴をはいた巫女さんのお神楽の笛や鈴の音に知らぬ間になつかしい昔に引き戻される感じです。
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